波打際を歩いて行く(仕事ブログ)

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代金未払で逃げたクライアントから回収した話(クラウドソーシング)

クラウドソーシングでクライアントに代金未払で逃げられた。

悔しいので対応方法をあれこれ検討していたのだが、なんと回収できた。その顛末を参考までにシェアしたい。

 納品後に突然クライアントが音信不通に! 

クラウドソーシングで仕事を始めて1か月、いきなりクライアントに代金未払で逃げられた。納品までは連絡が付いていたのに、納品したら音信不通になるという、多分よくあるパターン。

クライアントは運営しているWEBサイト上のプロフィールによれば、会社勤めの副業でサイトを運営していて、広告収入を得ているようだ。クラウドソーシングのサービス上は実績も半年だが件数はそこそこあり、それまではトラブルがないように見えた。

相手は個人の副業みたいだし、それまでも連絡は必ず土日と水曜の夜だったので、忙しいのかなと遠慮して2週間待った。それから穏やかに2回リマインドの連絡を送った。が返信なし。

そこでようやくほかのワーカーの状況を見てみたところ、ほかにもトラブルになった人がいるのが分かった。しかも「サービスを退会する」と連絡してきたとの情報。

WEB上で自分の原稿を探してみると、予定されていたサイトに既にアップ済なのを発見した。しかも、私の当時の技術不足により、表記が崩れていた。忙しいのかもしれないが、チェックもしないのか。内容もやっつけ感があったしなあ。代金未払と同じくらいがっかりした。

 詐欺によくある手口

待っても無駄なことが分かったので、クラウドソーシングサービスに連絡し、約1週間後に、サービス上で確保されていた仮払金の支払が確定した。しかし、これは代金のごく一部でしかない。

そもそも、この案件にはおかしなことがいくつかあった。

1.1文字4円の高単価案件なのに、実績が少ない自分が受注できた。

2.応募してみると、募集に書かれていない内容がいろいろあった。単価の安いテストライティングがあることや、口コミを探して埋め込む作業など。

3.テストライティングは2000文字以上 x 文字単価0.5円なのに、仮払いは500円だったこと。

後から振り返ると、明らかに不誠実な案件だった。高単価で呼び込んだり、仮払いを少なくするのは、詐欺の典型的な手口。悔しいが、経験不足だから引っ掛かったというしかない。

 泣き寝入りはしない! 取れる対策は?

ネットによるとクライアントの不払いはよくあることのようだが、このまま泣き寝入りはしたくなかった。

単発の案件であればたいてい数千円の案件だから、経済的には深追いするメリットはない。だから大抵の人は諦めるのだろうし、それによって詐欺は跋扈していく。許せないのでまず何の違反・侵害にあたるのかを検討した。

<契約不履行>

フリーランスとクライアントは雇用関係ではなく、対等な商取引に当たる。消費者や従業員のように保護の対象にはならない。

今回の問題は、契約した債務の不履行。というと民事訴訟くらいしか解決方法はないが、最近は公正取引委員会フリーランスの保護に関心を持ってきたので、問題の申告くらいはできるのではないかと踏んだ。

著作権法違反>

もう一つは、著作権法違反。つまらない原稿でも自分の著作物には違いない。人の原稿を勝手にWEBにアップするのは、著作権法違反。罰金や懲役刑などの刑事罰がある。担当は文化庁だが、警察にも相談は可能だろう。

 <残代金を回収するのがベスト>

とはいえ、まずは残代金を回収することに目的を絞った。仕事上の問題は金で解決するのが本筋だ。

連絡先未確認のクライアントなので、連絡先はクラウドソーシングサービスのアカウントとその人が運営しているWEBサイトしか分からない。

まずは、クラウドソーシングサービス上で、残金の支払いを硬軟両方から促した。非常に穏やかなトーンで、残代金を支払ってくれれば表記の修正作業をするというバーター取引の申し出と、WEBに未払の原稿を掲載したのは著作権法違反であり対応を講じる旨のメッセージを送った。

 突然支払の連絡が来た!

約3週間経ったある日、クラウドソーシングサービス上で、支払があったことの通知があった。なんと、例の代金未払クライアント。メッセージも来ていた。

メッセージには、会社の別部門の担当者というペルソナで、連携不足による支払遅延について丁寧な謝罪の言葉が記されていた。個人でやってるようなのにねえ。別人格なのかもしれないけど。

まったく信じてはいないけれども、一旦代金未払で逃げたことをごまかすための嘘ならば、それも方便として笑って許すことにした。残金プラスアルファを回収できたので、本件は無事終了となった。

教訓は、ヤケにならないこと

今回のケースで回収できたのはたまたまではあるし、「これで必ず回収できる!」というような秘策ではない。どちらかというと基本的な対応方法だろうと思う。

未収金を抱えて困っている方には肩すかしで申し訳ないが、基本的なところで、得た教訓を確認しておきたいと思う。

・簡単にあきらめない

・怒りをぶつけない、ヤケにならない

怒りをぶつけるのは、諦めるのとほぼ同じことだ。ストレス発散のために怒りをぶつける前に、相手が払いたくなる方法を考えたい。

クラウドソーシングは玉石混交だから、悪いことをする人もプロばかりではない。お互い頑張りましょう。