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開業未満の専業フリーランスの白色申告(2:確定申告で収支内訳書の売上を作成)

【2023年2月更新 国税局通達とバウチャーについて追記】

開業届を出してない専業フリーランス(給料なし)が、還付を受けるために白色申告で確定申告する方法を調べた第2回。

扶養内の主婦・学生、退職者など、自分と同様に比較的低収入のフリーランス向けです。

2回目は売上の書き方、収支内訳書編。

クラウドソーシングサービスを使って仕事をする場合の書き方も確認しました。

1回目の記事は↓こちら↓

namiuchigiwa.hatenablog.jp

所得の種類は雑所得

所得には、給与所得、利子所得、配当所得など、10種類の区分があります。

給与ではなく、マンション経営や株式投資でもなく、仕事を受けて報酬をもらうという形で稼いでいる場合、事業所得か雑所得が当てはまります。

事業所得か雑所得かの線引きは、継続性などいろいろあって曖昧なようですが、事業所得にする金額的な目安は税金を払うくらいの所得があるかどうかだそうです(2019年に税務署の人に聞いた話)。

自分の場合はとりあえず雑所得にしておきましょうか、と言われました。

事業所得にする場合は税務署に相談してみた方が良さそうです。

国税局の通達(2022年10月)について

事業所得と雑所得の線引きについて2022年10月に国税局の通達が改正されました。

「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)|国税庁

ポイントはこちら。(読みやすくするためにカッコ内を省略したので、正確には上のリンクを読んでください。下線は筆者による)

(注)事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。
なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(略)には、業務に係る雑所得(略)に該当することに留意する。 

制定までの経緯を見ると、これまでは自動的に雑所得扱いだった副業について、本業か副業かで判断するのではなく、帳簿があれば事業所得とする、というのが改正点のようです。

このため「帳簿書類の保存があれば、原則として事業所得に区分されます」という解説記事が目立ち、気になりました。

が、上の文章を見ると、条件は二つ。帳簿書類の保存という条件が追加されましたが、一つ目の条件は変わっていません。

事業にあたるかどうかは、継続性・営利性のほか、労力の程度(時間など)や生活状況などで総合的に判断されると解説されています。

所得が課税される45万円に届かない人は、帳簿を作成していても雑所得ということで変更ないのではないかと思います。事業所得にしたい人は税務署に要相談です。

雑所得の売上と費用の申告方法

雑所得でフリーランス収入を申告する方法は2つあります。

1つ目は、まず収支内訳書を作る方法。

2つ目は所得税の確定申告書の中で内訳を書き込む方法です。

私はパソコンが10万円以上して減価償却する必要があったので、減価償却の欄がある収支内訳書を選びました。

収支報告書を作った方が、申告した費用の内訳が自分にも分かりやすいので、翌年が楽になっておすすめです。

健康保険の被扶養者になっている主婦等は、年末の被扶養者資格確認のときに、確定申告書+収支内訳書を提出することができます。有料の非課税証明書を取りに行かなくて済むので、どうせなら収支内訳書を作りましょう。

できれば現金出納帳、売掛帳(売上台帳)、買掛帳(仕入台帳)、経費帳、固定資産台帳の役割をする表をエクセルなどで作って、こまめに記録しておくとすごーく楽になります。

なければまずは昨年の売上・仕入れ・費用・固定資産の整理から。

収支報告書の作り方

収支報告書も国税庁 確定申告書等作成コーナーで作成できます。

該当する年と「決算書・収支内訳書」→「収支内訳書」→「雑所得(業務)がある方」を選択。

青色申告じゃない収支報告は全部「白色申告」です。

「収支内訳書の入力」のページで関係する項目をクリックして入力していきます。

自分の場合はライターとコンサルティングの収入なので、仕入れ(売上原価)はありません。

売上(収入)と経費の項目を入力します。

売上の項目

収入金額の入力画面(入力欄を5カ所表示させています)

 

・「売上(収入)金額の入力」:上位4ヵ所の売上先・住所・金額を入力。残りは合計して「上記以外の売上先の計」に入力します。金額は税込みです。

・「その他の収入の入力」:空箱の売却代金やリベートなどのこと。金融関係の利益など売上に無関係なその他の収入は、所得税の申告画面で入力します。

クラウドソーシングサービスの場合の書き方

クラウドワークス・ランサーズなどのクラウドソーシングサービスで仕事を獲得していると、書き方に悩むところがあります。

取引先はクライアント?

クラウドワークスやランサーズは、クライアントとワーカーが直接契約する形を採っています。ビザスクも同様。

このため、売上先の欄にたとえば「株式会社クラウドワークス」と書くのは間違いです。

クライアントの会社名を書きます。分かっているところを書くしかないですね。

住所はネットで検索。

バウチャーは?

売上・費用とも、確定申告するものはバウチャー(証拠書類)を保存しておく必要があります。売上なら請求書、費用なら領収書です。データでOK。

クラウドソーシングサービスで仕事を獲得していると、取引先との取引をサイト上で行うので、請求書がなくて困るという事態になります。

ネットで調べると「支払調書を発行してもらう」とよく書かれていますが、支払調書とは原稿料などで年間5万円以上の報酬を支払った場合、税務署に提出する書類です。少額取引で取引先に発行することなんてあるんでしょうか?

私の場合、クラウドワークスなどの支払い履歴画面の画面コピーと、銀行の入出金明細のPDFをバウチャーにしました。確定申告の相談会で税理士さんに見せたらOKとのこと。金額が大きいと事情が違うかもしれませんが、とりあえず証明できるものとして活用できそうです。

ちなみに、エクセル表をダウンロードすると加工できてしまうのでバウチャーにはなりません。

システム上で引かれている手数料の扱いは?

売上金額は「契約金額」です。

契約金額からサービス手数料と振込手数料が引かれて振り込まれますが、この2つの手数料は経費の欄に記入します。

経費の書き方は第3回に続きます。

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