開業届を提出していないフリーランス(給与なし)が雑所得・白色申告で確定申告する方法について6回シリーズでまとめました。記事はこちらから。
今回は番外編。「家内労働者等の必要経費の特例」について税務署で聞いた内容をシェアします。
「家内労働者等の必要経費の特例」とは?
「家内労働者等の必要経費の特例」というのは、いわゆる内職にあたる仕事をする人が、確定申告の際に必要経費として55万円を控除できる制度です。
サラリーマンの給与所得控除と同じ感じですね。経費を一律で認定しましょうということです。
開業届を出していないと青色申告特別控除が受けられないので、これ欲しい!
クラウドワークスやランサーズなどを利用している人の確定申告について調べていたらこの話が出てきました。人によって「該当する」「使えない」とバラバラの結論になっています。
「家内労働者等の必要経費の特例」の適用条件
税務署の人に聞きました。在宅ワークについてはご存じなくズバリの回答は得られませんでしたが、適用されるための条件を教えてもらいました。
国税庁のホームページに以下の文章があります。
(注)家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。
(1) 家内労働者というのは、古くは封筒貼りの内職とか、最近では縫製などのモノの加工を委託されて自宅等で仕事をする人のことです。法律で家内労働手帳を発行するなどの仕事のルールが決められています。→モノの加工でないと該当しません。
(2) もしくは、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人も対象です。こちらはサービスの提供でOK。シルバー人材センターに登録して仕事をする人などが代表例です。スポット(単発)や、複数の取引先から仕事を受けている場合は✕。
在宅ワークの場合は?
クラウドソーシングサービスなどで仕事を獲得する場合、スポットか、複数の取引先から仕事を受ける場合が多いと思います。(ランサーズやクラウドワークスは仲介サイトであり「取引先」ではないので注意)
この場合、仕事の内容も「家内労働者」(モノの賃加工作業)に当てはまらなければ、家内労働者等の必要経費の特例には該当しません。
自分の場合はこれで終了だったのでそれ以上は確認していないのですが、以下の場合は対象になるように思われます。
・取引先は1社だけで仕事が継続している
・モノの加工(家内労働法の保護の対象になる)
WEBサービスにも適用拡大を
家内労働法の目的は下請けで仕事をする個人の保護です。目的からするとWEBライティングやプログラミングにも当然適用されるだろうと思うのですが、法律がインターネットなどの電子的な活動に対応できていないのが残念なところです。
家内労働者等の必要経費の特例も、サラリーマンや開業した人と比べて不利にならないようにという税制的な配慮が趣旨であれば、昨今増加したインターネットを使った仕事にも適用を広げるように改正してほしいと希望します。